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2006年Vol.3 特集1
湘南に吹く風のように、自由で、気ままに。人生を楽しむためのスローなライフスタイル。


海があり、山があり、 歴史に彩られた街がある。 さまざまな表情を持つ湘南界隈は、 散策するだけで楽しいもの。 こだわりの住まいを見て歩き、 自分の家の参考にしている方も多いことでしょう。
でも、散策中にふと、 いつもの風景が変わっていると気付いたことはありませんか? 大きなお屋敷の跡地が 細かく分譲されていたり、緑豊かな林がマンションになっていたり…。
愛する地元の原風景が失われていくのは寂しいですよね。
そんな中、わが街の文化や景観を守ろうと活動している人たちがいます。
「茅ヶ崎の文化景観を育む会」の山口洋一郎さんにお話を伺いました。
山口洋一郎
Yoichiro Yamaguchi
1946年、茅ヶ崎生まれ。
株式会社 洋建築企画の代表。街づくりという観点から、集合住宅、学校、文化・商業・医療施設まで、幅広い作品を手がけている。
   

――――まずは、山口さんが生まれ育った茅ヶ崎の魅力を教えてください。

茅ヶ崎は、東京近郊の保養地、別荘地として発展してきた歴史があります。交通の便がよく、気候は温暖で、海や松林など豊かな自然環境も揃っている。近隣の住民だけでなく、遠方からも多くの人が散策に訪れますよ。あまり起伏がありませんから、気持ちよく歩くことができるんです。

――――そもそも、茅ヶ崎が別荘地として発展したのはどうしてでしょうか。

明治31年に東海道本線の茅ヶ崎駅が開業し、翌年には東洋一のサナトリウム(結核療養所)と称された「南湖院」が開院となりました。国木田独歩をはじめ、多くの著名人が療養に訪れたことで有名です。そこにお見舞いにくる人々が泊まったのが、現在もそのままに残る海浜旅館「茅ヶ崎館」。ここは、映画監督の小津安二郎が構想を練るために逗留していました。文化人が集まり、風光明媚な茅ヶ崎の魅力が世に広まるにつれて、多くの人がこの地に別荘を求めるようになったのです。洋館あり、和館ありで、多い時には200邸近くを数えたそうですよ。

――――現在はどのくらい残っているのでしょうか。

数年前に、戦前から建っている邸宅を調査したことがあるんです。かつての別荘が今は本宅になっていたり、もともと本宅でありながら別荘風につくられた住宅もあり、「別荘」としての正確な数字はとても把握できないのですが、その時の調査では、およそ40数棟を数えるのみになっていました。現在はさらに減っていますね。
 

昭和8年施工の一間洋間付和風住宅、「藤間邸」。

――――なぜそんなに減ってしまったのでしょう?

それは時代の流れとしか言いようがありません。相続税などで維持できなくなったのでしょう。所有者が手放した広大な敷地は、細かく切り分けられ分譲されていきました。それによって、茅ヶ崎の原風景がどんどん失われることになったのです。私たちは、それを防ぎたいと思っています。歴史的にも価値のある素晴らしい建物を、緑が広がる土地を、邸宅が並ぶ美しい街並みを、どうしたら残していけるのか。それが「茅ヶ崎の文化景観を育む会」のテーマなんです。

――――どんな活動をされているのですか。

多くの茅ヶ崎市民に、自分が住む街の素晴らしさを知ってもらいたい。そのため、さまざまな分野の専門家を招いて、茅ヶ崎の魅力を語り合うシンポジウムを開催しています。また、市民参加型のイベントを開いたり、時には行政や企業、市民団体と手を組んで景観を守っていくための活動を行っています。一方で、別荘の所有者に向けては、屋敷や屋敷を囲む環境を保存していくための手法をアドバイスしています。手放す事情はさまざまですが、オーナーの多くは「できれば残したい」と望んでいる。そんな方々に、「あの会に相談すれば何とかしてくれる」と信頼してもらえれば嬉しいですね。

――――街の景観を守っていくために、私たちができることは?

たとえば京都の街は、何十年経っても変わらないまま、味わい深い雰囲気を漂わせていますよね。それは、1軒1軒の家が本物の「素材」でできているからだと思うのです。簡素で安易な「材料」でできた家が増えると、街はどんどん劣化していく。自分たちの住む土地の価値を、自分たちで下げているのです。茅ヶ崎のブランドを利用して土地を切り売りする住宅産業にも問題があるのですが、市民の方には「ウチだけが良ければいい」というのではなく、長期的な視野をもって街の美観に貢献するような住まいを建てていただきたいですね。

――――今後、茅ヶ崎はどんな街になってほしいですか?

観光地にならなくてもいいと思うんですよ。何かを目玉に人を呼び寄せるのではなく、当たり前の景観が自然と人を呼び寄せるような、そんな美しさをもった街になってほしい。そして、何よりも住んでいる人が楽しめる街、住んでいる人に愛される街であってほしいですね。
 

昭和6年、実業家の安原安三郎の別荘として建てられた
「松籟荘」(現在は取り壊されています)。
 

茅ケ崎の文化景観を育む会「茅ヶ崎の文化景観を育む会」とは
山口さんをはじめ、文筆家、日本画家、美術評論家、造園家など、茅ヶ崎在住のあらゆる分野のスペシャリストが集まり、茅ヶ崎を中心とする湘南地域の文化・景観の育成に努めています。
詳しくはhttp://www.chi-bunkei.net/をご覧ください。
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